昨年末、DDT最強を決める戦い「D王GP」が行われ、その優勝決定戦でZERO1の田中将斗に敗れた遠藤哲哉。その後、田中はHARASHIMAに勝利しKO-D無差別級王座を獲得。2月MAO、3月竹下幸之介、5月坂口征夫、青木真也を撃破し、現在、4連続防衛中。他団体に流出したKO-D無差別級のベルトを取り戻すべく田中の前に立ちはだかるのは、半年前スライディングDの前に散った遠藤哲哉。果たして、DDTにベルトを取り戻すことができるのか。 「D王GP」からKO-D無差別級に挑戦するまでの半年間を遠藤が振り返る。
――いよいよ、6月7日に、田中将斗選手(ZERO1)が持つKO-D無差別級に挑戦します。まずは半年前に行われた「D王GP・優勝決定戦」で、初めて田中選手とシングルで肌を合わせた時の印象を教えてください。
遠藤:やっぱり田中さんの代表的な技である「スライディングD」を初めて食らったとき、視界が真っ白になると言うか…。
意識が飛ばなかったけど自分が今どういう状況なのか分からなくなりました。 とにかく衝撃が大きかったです。「ヒジ」は人体の中でも固い部分なので、自分が想像していた以上の衝撃でした。
――あの時、遠藤選手は田中選手に対して「絶対的なフィニッシュホールド『スライディングD』に気をつければいいので対策はしやすい」とおっしゃっていました。
遠藤:技を食らう前は、そう思っていたんですけど…。田中選手が、どういう状況でも「スライディングD」を出せることが分からなかった。
田中選手はあの技をどんなポジションからも出せる。相手が立っていても座っていても、やりようによっては狙える技。だから「当たらなきゃ良い」ものではないと優勝決定戦のあと思いましたね。
――遠藤選手のファンは、「田中選手に勝って、王者HARASHIMA選手からタイトルを獲得してくれる」というストーリーを描いていたと思うのですが、残念ながら敗退。遠藤選手が「ドン底」に落ちたように感じました。
遠藤:田中選手には、そう簡単に勝てるとは思っていなかったですし、あの時点では自分の全てをぶつけました。それでも歯が立たなかった。どん底と言うより、ベルトから遠のいたと思いましたね。