――新しく団体を設立しようと思ったのは、どうしてですか?
鈴木:NOAHさんは「三沢さんの団体」なんです。ここまでプロレス事業に携わってきたので規模の大小に関係なく、「LIDETで立ち上げた団体」が作りたい。プロレスに関わった集大成です。
あと田村潔司さんと仕事がしたかった。田村さんとはNOAHさんの時に出会いましたが、NOAHさんでは田村さんと成しえなかったことがある。「なにか田村さんと形にしたい」と思っていたら、田村さんがプレゼンした動画をYouTubeで送ってくれました。
――田村さんがYouTubeでプレゼン動画ですか?
鈴木:ホワイトボードにアイデアを書いてプレゼンして下さいました。「社長の考えと私(田村さん)のやりたいこと、そして会社で事業としてやるならば『UWF女子』です」と。それが理にかなっていました。私の中では「プロレスを事業として成り立たせたい」という気持ちがあった。田村さんの「UWF女子」は収益性があると感じたので、私は「すぐに動きたいです」と田村さんに伝えました。
「UWF女子を始めると言ったけど選手を集めるのは大変だな…」と考えていた時、NOSAWA論外さんから「レッスルワンさんが休眠しカズ・ハヤシさんが次の行き場を探している」と話がありました。カズ選手にお会いすることになったのが2020年4月ごろです。
当初は「カズ選手のマネジメント」と考えていましたが、カズ選手から「若手の伊藤貴則と渡辺壮馬もいます」と紹介されました。カズ・ハヤシ選手も、まだひと花もふた花も咲かせたいと強い思いを持っていましたし、伊藤選手と渡辺選手は何も成しえていないと渇望感を感じました。そこで「この3人にかけてみよう」と思いました。
そこで田村さんに当初予定していた「UWF女子」ではなく、「まず3人をなんとかしたいのです」と相談したところ、快く引き受けてくれました。
それで3人を含めたスポット興行をやろうと思っていたらNOSAWAさんが「これは団体ですね」と…それがGLEAT団体設立の流れです。
――昔「赤いパンツの頑固者」と言われていましたが、田村さんは物腰が柔らかい方ですね。
鈴木:田村さんも長州さんも社会的には「頑固者」や「怖い」イメージがありますが、私から言わせると2人ともインテリジェンスでジェントルマンです。
要は頑固ではなく「こだわり」がある。もっと言うと「しっかり」した方です。ちゃんとやりたい人なのです。「面白いカードだから戦ったら?」とか、プロレスや格闘技界の当たり前のことを、彼らはお客様のことや興行全体のことをしっかりと考えた上で進めたいだけだと私は感じています。
長州さんも世界中の映画に深い知識をお持ちですし日本の将来のことも話されます。考える階層の深い人たちだと感じています。あのお2人には尊敬しかないですよ。