【パラカヌー・瀬立モニカ】車椅子の子供たちが、体育を楽しめる社会へ。瀬立モニカが描く未来(後編)

――そういう理由があったのですね。それにジグソーパズルは想像力や集中力、観察力などが向上するとも言われているので、アスリートにとっては画期的なアイテムのように思えます。話は戻りますが、合宿以外にも、自分の成長を確認するためには実戦も必要だと思うのですが、パラカヌーの大会は年間何試合くらい開催されるのですか?

瀬立毎シーズン国内1試合、海外2試合とカヌーは試合数が少ないんです。ですから試合勘とかモチベーションを維持するために、ちょっと違う大会に出たりするんですよ。

例えば、健常者のカヌーの関東大会にパラ部門を作って頂いて、実際に参加したりしています。ちなみに、それが可能となったのは、西コーチが働きかけてくださったおかげなんです。他にもいろんな方々が協力してくれたので、私たちパラ選手はすごく助かりました。

西日本カヌー協会の方に事情を説明して、健常者の大会の中にパラ部門を立ち上げて頂きました。大会関係者が、みんな私の知り合いなので(笑)。

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――さすが西コーチ(笑)。

瀬立それに、パラ選手が健常者のカヌー大会に出場すると、「パラ選手がいる」という認識が地域レベルでされるんです。五輪やパラリンピックという世界レベルの大会ではなく、身近な大会にパラアスリートが参加することによって、「パラもあるんだ」と興味を持ってもらえる。

もし、その選手がパラリンピックに出場したら「この選手応援してみよう」と思うきっかけにもなります。そういった身近な取り組みって、パラリンピックと並行して必要なんだと思うんです。

西実は、私たちは中学生の大会にも顔を出すようにしていて。昨年は8月の世界選手権に照準を合わせていたので、顔を出すことができなかったんですけど、それまでは毎年どこで合宿していても、2人で車に乗って応援に行っていたんです。

そうすると、「パラカヌーの選手が応援に来てくれている」と全国の中学生の選手が集まってきてくれて。「サインしてください」「握手してください」「写真撮ってください」とすごく喜んでくれるんです。逆に私たちの方が、たくさんパワーを貰っているかもしれませんね。

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