――現在、会社を設立し、働きながらプロレスの試合をし、そしてトレーニングも積んでいるわけですよね。お酒とかは飲まれますか?
坂口:飲みます。飲み過ぎるくらい飲んでいます(笑)。総合時代から変わらないですね。でも、階級があるので暴飲暴食には気を付けていました。もちろん今も気をつけています。
プロレスを始めてからは、トレーニングの仕方が変わりました。細かくいえば、ミットの蹴り方一つから変えました。 プロレスは総合と違って無差別、体格が大きいレスラーと戦います。
総合時代は体重70キロだった自分と、体格的に相手は変わらないわけですよ。それが今度は、自分より50キロ以上重いレスラーと戦うこともあるので、体重も7,8kg増量しました。それ以上増やすと、自分の身体が動かなくなります。
総合時代は70kgの階級だったので、72,3kgくらいで動くのが楽なんですよ。今は、そこから77,8kgの間を行ったり来たりしています。その辺りの体重が、身体を動かす中での限界だと感じています。
レスラーの中には、むりやり身体を大きくする人たちもいますけど、自分の体への負担だったり、リング上でのスピードだったりを考えた時、この体重(72~78kg)がベストだと、プロレス始めて8年間でわかりましたね。
――坂口選手は総合をベースにした蹴りや関節技と、スピード感のある俊敏な動きが特徴的ですよね。プロレスデビュー前から考えていたスタイルですか?
坂口:プロレスをやり始めてから勉強したことが多いですね。今は休止しているユニット「酒呑童子」のKUDOさんや高梨さんと組んでいる時、酒を飲みながら練習の仕方だったり、試合でのスタイルだったり学んだことが多く、それを試合で少しずつ試していくという感じでした。
今も、まだ完成形じゃないですし、いろいろと考え試しながらリングに上がっています。
――日々、試行錯誤しているんですね。そう言えば以前、坂口選手を街で見かけたことがあります。年下の先輩レスラーの方と一緒で、その方に対して、気を遣われている印象を受けました。
坂口:自分の中で年齢は、そんなに重要ではありません。自分より先にデビューしていれば先輩じゃないですか。
自分の生き方として、「入社一年目で、自分の方が年上だから偉そうにしている」というのが合わないですし、二十歳の若造にキツく言われても、彼より自分が経験不足であれば、努力して、そいつを抜かせばいい。
本当に年齢は全く気にしないですし、たえず与えられたものに従って、真っ新な気持ちで向き合うのが大切だと思っています。変なプライドを持っている人は大成しないですよ(笑) 。
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取材・文/大楽聡詞
写真提供/DDTプロレスリング