【DDTプロレス 樋口和貞(後編)】自ら一歩を踏み出さなければいけない

――挑戦剣をかけた試合、樋口さんはシューズもサポーターもせず戦いました。せめてサポーターだけでもしていたら結果が変わったかも知れませんね。

樋口:帰り支度をしシューズもサポーターも脱いでいた時、遠藤哲哉から指名を受けた。正直、膝がグラグラの状態。言い訳はしたくありませんが、サポーターで膝を固定していたら結果が変わっていたかもしれません。

4試合の中で自分の記憶に残っているのはD王GP。2人とも立てなくてダブルノックアウトになった試合です。自分の不甲斐なさもありモヤっとした感じで記憶していました。

遠藤哲哉は6.12広島大会を欠場しています。でも敢えて怪我した箇所は攻めず真正面からぶつかり合いました。現状の自分の力を知りたかった。

昨年KO-D無差別級王者になり東スポプロレス大賞の技能賞も獲得。2020年DDTを引っ張った選手です。その遠藤哲哉から勝ち、勝敗が2勝2敗1分と並んだのは自信になりました。

――遠藤選手は樋口さんのブレーンクローを、かなり警戒していましたね。

樋口:何度もかわされました。最後は波状攻撃ですね、ブレーンクローを2回とぶちかましも2回を出しています。「ここで決めなければやられる!」という気持ちで仕掛けました。

実力やパワーの差ではなく「勝負どころで勝負に行けたこと」が勝因ですかね。

――そして遠藤戦のあと、7.4後楽園の準決勝は火野裕士選手です。

樋口:タッグではぶつかっていますがシングルは初めてですね。「準決勝、えらい相手と戦うことになった」というのが正直な感想です。

火野さんは試合で観客を沸かせるし経歴も凄い選手です。巨大ではなく、強くて大きい「強大」な敵ですね。

――どう戦おうかシュミレーションしていますか?

樋口:一点突破しかないかと。細かく考えるより身体でぶち当たるのが自分らしいと思います。その時、状況を判断して戦うのみ。

先日、準決勝に臨む上位4選手の記者会見がありました。過去を振り返った時、自分は準決勝まで進んで3回負けているんですよ。2015年が坂口さん、2019年が竹下幸之介、2020年が遠藤哲哉。だから準決勝を突破できないと話にならない。

もう一歩踏み出すために火野さんを超えなければいけない。毎回準決勝が鬼門なので、この試合に集中したいと思います。

――でも1日で準決勝と決勝がありますよ。

樋口:体力には自信があるので1日2試合戦うのは問題ありません。まずは準決勝を突破したい。

――そうなると秋山戦も見えてきますね。

樋口:記者会見で優勝した人が必然的にKO-D無差別級王座に挑戦することになる、と案内がありました。となると秋山準と戦うための最短距離がKING OF DDT 2021優勝になります。

3月にKO-D無差別級戦に敗れ、挑戦する順番では最後尾になりました。でも2、3段飛ばしで近づいているような気がします。KING OF DDT 2021優勝すれば文句なく秋山準に挑戦できる。「もう一回やらせろ!」と。

――すごい気迫ですね。その7.4後楽園大会に向けて意気込みをお願いします。

樋口:自分、DDTのほとんど選手に勝っているんです。ただタイトル戦やトーナメント戦の大切な場面で勝つことができない。これは自分の勝負強さのないところなのか…

それを跳ね除けるためには正面突破し、自ら一歩を踏み出さなければいけない!と常々思っています。その姿をお客さんやEruptionの坂口さん、赤井さんに見てもらいたい。そして、その先にいる秋山準の対角線上に立ちたい。あの日の屈辱は秋山準に勝たない限り払拭できないですから。

<インフォメーション>
7.4後楽園ホールにて「BLACK OUT presents KING OF DDT 2021 FINAL!!」が行われます。トーナメントを制するのは誰になるのか!

チケット等、詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。
また試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで生配信されます。

DDTプロレスリング Twitter
樋口和貞 Twitter

取材・文/大楽 聡詞
写真提供/DDTプロレスリング

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