――DDTを代表して、流出しているベルトを取り返さなければいけない、という大きな命題もありますよね。
竹下:僕が“最後の砦”ですね。DDTを背負うというと、ちょっと違うと思いますけど、最後の壁かな、とは思っています。そういう気持ちはあるんですけど…ただそういう気持ちを背負ったから勝てる相手でもないので。
それでも試合後に「自分のスタミナが足らずに自分を出しきれなかった」「もっとやりたかった」とは思いたくないので、今は本番をベストコンディションで迎えられるように調整しています。
純粋に「勝ちたい!」という気持ちはありますが、田中将斗とシングルマッチで戦うのは、今回が最初で最後になるかもしれない。だから悔いを残さないよう、若手の頃に戻ったような気持ちで、全てを出し切る。今はそれしか考えていません。
――頭の中で、当日の試合をイメージしていると思うのですが、警戒している技はありますか? それとも「全て受けてやろう」という気持ちで臨んでいくのでしょうか?
竹下:いえ、逆に自分が「この技を仕掛けてやろう!」ということばかり考えています。周りは、田中さんのフィニッシュホールド「スライディングD」を警戒する事しか頭にないんですけど、その時点で受け手に回ってしまう。
だから、つねに攻めていく気持ちで、田中将斗相手に「何を仕掛けてやろうか」と考えています(笑)。 現時点でも、プロレスラーの勘で、田中将斗戦はすごい試合になることは分かっています。
例えば、デビュー直後の新人と戦うとしたら、その若手が10、20の力しかないところを70、80にどうやって引き上げていこう、と考えますが、田中選手の試合は100になることは確定しているんですよ。
それをさらに110や120に引き上げていく。これがベストバウトになるか、ならないかの差だと思っているんですけど、本当に全ての力を出し切らないと勝てないでしょうね。
2020年、まだ3月ですけど、この1年の全てをぶつけるつもりで臨みます。6月のさいたまスーパーアリーナもありますが、それを考えたら何もできない。とにかく田中選手は体も頑丈なので、後楽園はやるか、やられるかの戦いになると思います。
――最後に3月20日後楽園、楽しみにしているファンの方に一言お願いします。
竹下:新型コロナウイルスの影響で日本全国、あまり元気がありませんが、3月20日は時間を忘れるような、これぞ「The プロレス!」という試合を見せたいと思います。まだまだ、田中将斗の底力はDDTのリングでは発揮できていないと思うので、それを田中選手にも出させて、僕も出して、最強のプロレスをお見せます。みなさん、楽しみにしていて下さい。
取材・文/大楽聡詞
編集・写真/佐藤主祥