――そうだったんですね(笑)。そんな様々の試合を観ていく中で、特に印象に残った試合は何ですか?
竹下:グレートムタの試合は全て観ていましたから、vsアントニオ猪木とか、vsライガー、vs木戸修、vs馳浩戦とか、衝撃的でしたよね。最短距離で勝たない、というのがプロレスの魅力の一つなので、子供ながらに「何なんだろう?この魅力は…」と思って見ていました。
――武藤敬司さんは、時代によってファイトスタイルを変えていますが、その中で一番好きなのがグレートムタですか。
竹下:グレートムタは見た目のインパクトがありますからね。僕は武藤敬司マニアで、DVD BOXも持っているくらいファンなんですけど、特に好きなのはオレンジパンツ時代ですかね。90年代、UWFインターと闘う頃の武藤さんが好きです。
――ではやはり、武藤さんの動きや技は参考にしているのでしょうか?
竹下:動きは参考にしてないです。ただ、武藤さんの自伝とかを読んで、やっぱり人と同じことをしない、とか、自分のやりたいことをやる、という考え方は参考にしていますね。僕自身、自伝を読むのが好きなので、レスラーの自伝は一通り読んで学んでいます。自己啓発本的な感覚で読みますね(笑)。
――プロレスラーの中で一番影響を受けているのが、武藤さんだと。
竹下:そうですね。でも影響を受けているという意味では、全日本プロレスの秋山準さんも、かなり影響を受けました。2試合しか絡んでないんですけど、プロレスの戦い方というか考え方というか、「プロレスとは、こうだ!」というのを、ほんの10分のタッグマッチを通して教えてくれたんです。
これは直接、肌と肌を合わせないと分からないですね。 僕はレジェンドと言われている人と何度も戦わせて頂きましたけど、秋山さんの衝撃度は、レスラー人生で一番大きかったです。
――今、お話にもあったように、竹下選手は数々の選手と戦っていますよね。秋山選手以外で印象に残っている選手はいますか。
竹下:新日の棚橋弘至さんですね。2014年8月、デビュー間もない時期に戦いましたけど、何にもやらせて貰えなかったです。僕は自分の試合は良く観るんですけど、唯一、一度も見返してない試合です。本当に何にも出来なかったので(笑)。