GAEA JAPANで活動する中、現在につながるスタイル「人を楽しませるパフォーマンス」を突き詰めていく旧姓・広田さくら。しかしGAEAの解散によりプロレスラーを卒業、活動の場を芸能界に移す。だがそこは思っていた以上に厳しい世界だった。そしてプロレス復帰を決意する。
――3年間の芸能生活を経てプロレス業界に復帰されました。復帰後、どの団体にも所属しなかったのは、どうしてでしょうか?
広田:そもそも復帰しようと決めた理由が、GAEA時代に名勝負を繰り広げてきた「極悪同盟のサソリさんの引退試合の相手をしてほしい」とオファーがあったからです。
サソリさんとはシングルで何度も戦いました。私がプロレスを卒業したあと、サソリさんが引退することになり、「どうしても引退試合を広田さんと戦いたい」と。ただ私は芸能活動をしていたので断っていました。
ある日、ダンプ松本さん経由で「エキシビジョンマッチ、10分間何もしなくていいからサソリの引退試合のリングに立って欲しい」と連絡が来ました。GAEAが解散して2年経った時です。それで「エキシビジョンマッチなら…」と承諾しました。
しかし不安もあった。「プロレスファンが私を受け入れてくれるのか?」「リングを離れたのに、やっぱり広田戻ってくるじゃん」と思われるのではないか…そんなことをいろいろ想像しました。
何より「GAEAの先輩たちに何と言ってリングに上がればいいのだろう」と…
でも試合当日、実際に花道を歩いた時、すごい歓声と拍手、お客さんの笑顔を見て「私はやっぱりプロレスがやりたかったんだな」という自分の気持ちに気づきました。
それで本格復帰をしようと決めました。しかしGAEAが終わって3年間、他の先輩たちが這いつくばってプロレス界で頑張ってきた中、私が芸能界を辞めて「広田、女子プロレス界に戻ります!」となった時、どこに居場所を置くが1番良いのかを悩みました。