
4月23日、新宿FACEで開催された「シン・広田さくら緊急自主興行『サクパラダイスへようこそ~最後に遊びましょ~』」は、広田さくらが4月29日に引退する里村明衣子に感謝を伝える特別な興行となった。
メインイベントは、女子プロレス界の伝説的団体GAEA JAPANの同期である里村明衣子、シン・里村明衣子(シン・広田さくら)、永島千佳世、加藤園子の4名が登場。また、伊東幸子レフェリーと中島幸一郎リングアナウンサーも加わり、GAEA JAPANを彷彿とさせる豪華な顔ぶれで行われた。

試合は里村と加藤の先発でスタート。里村は加藤をサイドヘッドロックで締め上げ、巧みにコントロール。加藤が永島にスイッチすると、里村もタッチを求めるが、この日3試合目となるシン・里村が「里村、戻ってくるな!」と声を荒げタッチを拒否。
永島と加藤の巧みなタッグワークに追い込まれた里村は、なんとか2カウント。一方、里村&シン・里村も永島にダブル・フェイスクラッシャーを決め、反撃に出る。
試合終盤、加藤に里村がオーバーヘッドキックを決め、「いけーーー!」とシン・里村にフォールを託すが、シン・里村は「このままでは幽体離脱してしまいそうだ」と叫び、倒れ込む。

周囲の空気を察した里村が意を決して“幽体離脱”を実行するも、最後は加藤がクローズゲートでシン・里村から3カウントを奪い、加藤&永島組が勝利した。
試合後、里村は「私が(海外で活動して)仙女を離れている間、広田はずっと『シン・里村』として私の分身のようにリングに立ち続けてくれました。お客さんが私を忘れないようにしてくれた。その姿勢に本当に感謝しています。彼女の優しさだと思います」と広田への感謝を述べました。

広田は「本当に寂しいですね。欠場中(仙女に)リング上で挨拶のためだけに呼んでくれて、試合のギャラを貰いました」と、GAEA JAPAN解散後も里村に支えられたエピソードを披露。
最後にメインイベントについて問われた里村は、「いろんなプロレスがありますけど、ここまで人を幸せにしてくれるプロレスラーは他にいません。広田は私にないものをすべて持っています。彼女は私のプロレスの幅も広げてくれたし、人間としての幅も広げてくれました。本当に彼女は天才です。そんな天才に出会えて、心から幸せだなと思います」と広田に最大級の賛辞を送った。
記事/まるスポ編集部