カヌースラローム・加藤成選手(中1)気分転換はジャズ鑑賞、夢はカヌー競技アジア人初オリンピック金メダリスト!

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加藤選手はダンスで培った柔軟性がカヌー競技の役にたっているという 撮影/浦橋一さん

気分転換はジャズ鑑賞、体力強化のためにランニング

カヌースラロームでは、ゲートを決められた方向から通過しなければならず、違反するとペナルティとして50秒が追加される。最近、ペナルティを出してしまい落ち込んだ加藤選手。そんな時、気分転換にジャズを聴いて心を癒した。

「朝ドラの『カムカムエブリバディ』を観て、“ジャズって良い音楽だな”って。一度ブルーノートにジャズライブを観に行ったことがあり、その明るい雰囲気が好きなんです」

ジャズの醍醐味である“アドリブ”は、毎回異なる激流を漕ぐカヌースラロームの競技特性とも共通点があるのかもしれない。

現在、加藤選手は基礎トレーニングに重点を置いて練習を進めている。「しっかり基礎ができていれば、より難しいことにチャレンジできる」と基本の重要性を力説。そして、最近練習メニューにランニングを取り入れた。競技中に息が切れないよう体力を強化する目的だ。

さやかさんは「ダンスではここまで集中して取り組んではいなかった」と振り返る。

「上手な子は暇な時間にダンス動画を観るそうですが、成はそうではありませんでした。でも、カヌーに出会ってからは暇さえあれば、国内外問わず上手い選手の漕ぎ方やパドルの持ち方を熱心に研究しています」

加藤選手自身も「ダンスで学んだ身体の柔軟性はカヌー選手として役に立っています」とコメント。とはいえ、5年間学んだダンスへの未練はないのだろうか?

「テレビでダンスをしている人を見ると、『踊りたいな』と思うことはあります。未練は…少しだけありますね(笑)。でも僕は水上スポーツが好きです。ダンス以上にカヌー競技の方が自分に合っています」

だが、さやかさんの思いは少し複雑だ。

「怪我はとても怖いですね。肩を壊さないように『しっかり準備運動はして』と日々言っています。幸いカヌー競技ではまだ怪我はありませんが、テンションが上がると舞い上がることがあるんです。最近も学校の休憩中にドッジボールで人差し指を骨折しまいました。なんとかギブスをしたまま大会に出場しましたが、心配です」

まだまだ遊びたい盛りの小学6年生である加藤選手。その挑戦には期待も心配も尽きない。

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