
「打たれるならここ(9回2アウト)しかないと思ったよ」
あたかも未来が見えたかのように語ったのが西武・西口文也新監督。
今季から一軍監督に就任し、初めて本拠地・ベルーナドームで迎えたオープン戦でまさかの出来事が起きた。
阪神を迎えて臨んだ11日の試合。西武は先発の菅井信也投手が2四球を許すものの後続を打ち取り、5回無安打投球を見せた。
その後を受けた平良海馬・佐藤隼輔・ラミレスも1人の走者すら出さず、最終回はウィンゲンターがマウンドに上がった。
先頭から2者連続三振に仕留め2アウトとなり、継投でのノーヒットノーランまであとアウト1つ。ここで阪神・前川右京外野手が放った打球は中堅に抜ける当たりだったが、遊撃の滝澤夏央内野手が追いつきすぐに送球した。
しかし球審の両手が横に広がりセーフの判定に。西口監督がリクエストをするも、判定は変わらず安打となった。
ここはあくまでオープン戦ではあるのだが、ただの”ノーノー未遂”にとどまる話ではなかった。
というのも指揮を執っている西口監督は現役時代に2度、9回2アウトからノーヒットノーランを逃す不運に見舞われているからだ。
1度目は2002年8月26日のロッテ戦。1番・小坂誠の打球は二塁後方と右中間の前に落ちるヒットを打たれがっくりと肩を落とした。
また、05年5月13日の巨人戦で悲劇が繰り返される。ここでも9回2アウトまで被安打0で誰もが快挙を確信したが、1番・清水隆行に右翼へ本塁打を浴びてまたも逃すことに。呆然とする姿がカメラに映され、球場は悲鳴に包まれた。
9回2アウトではないが、さらに残念と思わされる結果となったのが同年8月27日の楽天戦。9回まで1人の走者も許さないパーフェクトピッチングを見せるも味方打線の援護がなく、0−0で延長10回もマウンドに。
しかし、この回に先頭の沖原佳典に右前安打を許し快挙は幻となった。
15年の引退試合後のスピーチで自虐ネタを披露したが、まさかのオープン戦ながら監督としての本拠地初戦に悲劇が繰り返されることに。
指揮官も予感していたかのように、冒頭のコメントを残した。
SNSでも「西口監督」「ノーヒットノーラン」などがトレンド入りし、ファンからも「これは逆にノーノーを4回やるより難しいと思う」「監督になってもか…」と驚きと同情のコメントが多数寄せられた。
記事/まるスポ編集部