メンタルコーチ・今井礼子「子どもが“プロスポーツ選手を目指したい”と思った時、その思いを満たしてあげたい」

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今井さんの目標は”スポーツを通して人々の心を育むこと”

スポーツで人々の心を育みたい

活動の一環として、「子どもの身体の発達」にも力を入れている今井さん。彼女は子どもたちの発育発達がスポーツにおいて非常に重要であることを説く。

「生まれてから1年間赤ちゃんの発育発達の動きは、将来の体の動かし方に大きく影響を与えると言われています。例えば、“高這い”という動作は、将来の体の動きにとても重要で、肩関節の機能が向上したり、つま先で床を蹴る動作につながるものです。

最近では、肩甲帯が未成熟な子どもが増えており、鉄棒で逆上がりをする時に床を蹴り上げられなかったりする子どもが多くなっています。水泳教室でもプールサイドに手をついて自分で身体を引き上げてプールから上がれない小学高学年の子たちが増えていて、つま先から股関節への力伝達がうまくいかないため、水泳のスタート時に壁や床を蹴ってスタートができない子も多いです。他にも、しっかりと寝返りや腹ばいをしたり泣いたりすることで体幹機能が成熟します。また、揺れや傾きなどがわかる為の前庭感覚や自分の位置や力の入れ具合を感じる為の固有感覚を獲得していくためにも、乳幼児期に自分のからだを使った動きを楽しく遊びを通して行うことで、運動能力があがってきます。

このように小さい時から人間が持つ本来の基本的な動きを丁寧に習得することで、非認知能力も高まり、子どもたちの可能性はもっと広く深くなっていきます」

幼児の頃、その経験ができなかった場合、後天的に別の運動でカバーすることはできないのだろうか。

「成長期に合わせて中学生あたりまでは再学習することで効果が見えやすくなります。かつては学校で掃除の時間に『雑巾掛け』をすることで再学習ができていました。これは“高這い“の再学習なのですが、その機会も今は減っています。

水中では重力が無いので『自分の身体だけを頼って動いていくこと』が必要です。水泳は自分の身体を自分で操らなくてはならないスポーツ。そのためには、自分の中の軸をしっかりと作る必要があり、重力のある陸上で発達発育の動きを再学習していくことも並行して行っていくことが重要です。このことを、子どもを持つ親や子どもの成長に関わる大人に理解してほしい。それによって大人は子どもへの対応が変わってきます」

最後に「なぜ、子どもの身体の発達に力を注ぐのか」と聞いてみた。

「子どもの夢は無限です。もし将来『プロスポーツ選手を目指したい』と思った時、その思いを満たしてあげたいんです。出来る限り応援したいしサポートもしてあげたい。人間の可能性は無限ですから。子どもが言う『めんどくさい』っていうのはやり方がわからないことが多いです。子どもはみんな楽しみたいし、上手になりたいと思っています。そのために、子どもたちの可能性を広げれらる大人を増やしたいなと。スポーツを通して皆んなの心を育むことができたら最高ですね」

<インフォメーション>
ひまわり運動ひろば WEBサイト
今井礼子 X
今井礼子 インスタグラム

取材・文/大楽 聡詞
写真提供/香川県パラカヌー協会 高橋由理

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