メンタルコーチ・今井礼子「子どもが“プロスポーツ選手を目指したい”と思った時、その思いを満たしてあげたい」

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夫の航一さん(左)は東京2020パラリンピック日本代表。現在は引退し後進の育成に励む

メンタルコーチとして”自分の取説”を作るとは…

今井さんはメンタルコーチとして“自分の取説”を作ることを推奨する。

「私はコーチとして“自分以外”に注目しサポートする職業ですが、他人に寄り添うことで“他人軸”になりすぎて、不安な気持ちになることがあります。そのときは“他人軸を自分軸に寄せるように『自分はどんなことをしたいのか』と気持ちを整理します。反対に“選手”は、他人軸では自分に向き合いきれません。自分に集中し自分の取説を知り自分で自分の心や身体を操る必要があります。競争相手を意識し過ぎると他人軸になり、自分を見失ってしまいます」

例えばジュニアアスリートの場合、本人・家族・指導者にもそれぞれの”立ち位置”で必要な”心の持ち方”があると今井は言う。

「本人にとってゴールはどこにあるのか、大きな目標と小さな目標は何なのか。家族や指導者は、ジュニアアスリート本人にどう成長して欲しいのか、どんな大人になって欲しいのかなどを一つ一つ明確にしながら、一喜一憂して感情を振り回されるのではなく、自分の価値観を知り、自分の気持ちの折り合いをつける方法を見つけていき、一つ一つ丁寧に取り組んでいけるメンタルを作っていきます。これは、スポーツだけではなく、子育て中の保護者や仕事への取り組み方、老後の終活に向けての気持ちの整理など共通します。意外と自分のことは自分でわかっているつもりってこともありますよ」

人は己の価値観を知ることにより“自分軸”で行動しやすくなる。今井は相談者が自分軸で動きやすいように、さまざまな質問を投げかけ、その人に合った「自分の取説」を作成する。

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