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――チャレンジすることは大切ですが、安齊選手はキャリア3年目。すでに全日本の頂点のベルト“三冠王座”も戴冠、新たな目標を見つけるのが難しいような気がします。
安齊:僕は異例中の異例だと思うんです。一般的に見たら若手、それこそキャリアで数えれば下から2番目。ですから自分の中で、今までの常識を全部取っ払おうと。
僕のプロレス人生自体、多分誰も真似できないし、誰にも理解してもらえない。それに現在、三冠ベルトは手元にありません。ですから“まだできることはたくさんある”と思っています。
まだシングルで勝ってない人もいます。それに“全日本で俺(安齊勇馬)が一番強いか?”って言ったらファンの方々、満場一致にはならないと。そう考えると、まだまだやることはたくさんあるなって。
――昨年末、安齊選手は「次に三冠を狙う時は、チャンピオン・カーニバル(=CC)や王道トーナメント(王道T)を制覇して挑戦」と話していましたが、1月26日後楽園で斉藤ジュンに挑戦しました。
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――頭で考えるより先に身体が動いてしまったのですね。ただ挑戦表明した1月3日は芦野祥太郎選手とシングルマッチで額を切って鮮血がほとばしりました。記憶が正しければ、初めての大流血かと。
安齊:本来、CCや王道Tを制覇して挑戦した方が一番綺麗だと思ってたんです。大会で結果を出してから三冠王者の前に立った方が。でも目の前にチャンスが転がっているのにじっと待っていられるほど大人じゃなかった。
安齊:そうですね。最初は“なんか、おでこが熱いな”と思ったら血が垂れてきたんです。どこから出て、何が起こっているのか理解できなかったけど、“まあ、血くらいならいいか”って。それが目に入り視界が悪くなって困惑しました(苦笑)。
――今後も三冠というのは狙っていきたいですか?
安齊:それはもちろんです。頂点のベルトはジュニアだったら世界ジュニア、ヘビーだったら三冠王座だと思っています。全日本にいる限り、あのベルトは絶対に自分の手元に置いておきたいですね。
先ほども言いましたがCCや王道Tを制してファンの支持を集めて挑戦するのが理想です。でも良くも悪くもまだ僕は子供だと思っているので、目の前にそういうチャンスが転がっていたら飛びつきます。そこは制御できないですね。