「プロ野球自体がその流れになってほしくない」日本ハム・新庄剛志監督がポスティングからの日本復帰の在り方に警鐘を鳴らす

日本ハムの新庄剛志監督が8日、ソフトバンクに入団した上沢直之投手について言及した際に、ある苦言を呈した。

鎌ヶ谷でのスタッフ会議終了後に取材対応した新庄監督は上沢について

「ちょっと育て方が違ったのかな。ああいう決断をされたのはすごい悲しいし、一緒にやりたかったし」

と残念な想いと共に、「彼が投げる試合ではとにかく負けない。ファンのために負けない野球をしていきたいですね」と語った。

ここまでの移籍劇については「ファイターズに戻るのが筋じゃないか」という論調があった一方で、「ポスティングのルールを見直すべきでは」という意見が球界OBやファンから多く挙がっていた。

というのもこの間、”有原式FA”というワードがSNS上でたびたびトレンド入りしていた。これは、昨年最多勝を獲得したソフトバンク・有原航平の例からできた造語である。

有原は20年オフに日本ハムからポスティングでメジャーに挑戦したが、22年オフに3年総額15億円規模の大型契約でソフトバンク入りしている。

現行ルールではFA権を取得していなくてもポスティングで米球界に移ると、仮に退団した場合は自由に球団を選択できることになる。

有原がNPBに復帰した先が古巣ではなく、同一リーグの他球団かつ大型契約だったことから、当時物議を醸していた。

今回の上沢も有原と全く同じケースであるが、両者とも今のルール上全く問題はない。ただ、新庄監督はこのように胸の内を語った。

「プロ野球自体がその流れになってほしくない。ポスティングで(メジャーへ)行って、いい活躍ができなくてソフトバンクに行くっていう流れ。

そこは正直、ソフトバンクが上沢君を取りに来てほしくなかった。プロ野球のために。

お世話になったファイターズで活躍して(上沢の国内FA権取得を)もう1年待って、『さあ僕たちが何十億も出して取りに行く活躍を見せてください』っていう形がベストだったんじゃないかな」

ちなみにポスティングについてはこの他にも、今オフにロッテが佐々木朗希投手のメジャー移籍を容認した際に議論を呼んだ。

「ロッテを優勝させてみんなが”行ってこい”という形が望ましかったのでは」と、2桁勝利わずか1回の右腕が5年で流出することに残念かつ憤りを見せる意見が多く見られた。

義理や人情を重んじる日本の文化も相まって、上沢そして佐々木の件は決して歓迎されるものではなかった。

現場の指揮官もついに苦言を呈したことで、ポスティングシステムのルールが今後見直されるのか。その動向にも注目である。

記事/まるスポ編集部

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