日本ハムの新庄剛志監督が8日、ソフトバンクに入団した上沢直之投手についてコメントした。
2軍施設のある鎌ヶ谷で行われたスタッフ会議終了後、取材対応した新庄監督。ここで上沢のソフトバンク入りについて質問が及ぶと
「2年間彼と一緒にやって、ああいう決断を彼がして。ちょっと育て方が違ったのかな。ああいう決断をされたのはすごい悲しいし、一緒にやりたかったし」
と率直に本音を明かした。常に選手たちに前向きな言葉をかけ、鼓舞しつづけている指揮官だが、この話題になると違った。
自身の経験も踏まえて「マイナー契約ならあれほど行くなと言ったのに」と助言を続けながらも意思を尊重し、球団として送り出した。
しかし、わずか1シーズンを経て帰国した先は4年総額10億円プラス出来高払いの大型契約を提示したソフトバンク。上沢は帰国後に
「12年間在籍して育ててもらったファイターズに一番、思い入れがあります。ただ、どの球団でも話を頂けるのであれば“結構です”と言うのではなく、一度話を聞きたいと思っています」
と紙面を通じて発言して以降、ファンや球界OBなどから様々な意見が飛び交い物議を醸していた。
「もう1年こっちで、すごいお世話になったファンのためにも1年とんでもない活躍して(FA権を取得したら)『さあどうぞ、どこにでも行ってください』『もうあなたの自由ですよ』っていうことを期待していましたけどね」
と続けたように、常にファンを大切にする新庄監督らしいコメントからも残念さが伝わってきた。
この悲しい気持ちはシーズンでの対戦でファンの想いとともに直接ぶつける。語気を強めてこう意気込んだ。
「もう終わったことですから。いないものはいないので。彼が投げる試合ではとにかく負けない。ファンのために負けない野球をしていきたいですね。間違いなく」
ソフトバンクとは開幕2カードとなる本拠地開幕シリーズで組まれている。特に4月1日の本拠地開幕戦で先発を指名されている伊藤大海は、
「僕のホーム開幕戦に来るんじゃないですか?志願してでも来るんだろうなと思っています。それぐらいはしてくれないと、ファイターズファンも納得いかないかなと」
と直接対決を望む姿勢を見せていた。
なお、新庄監督が上沢のSNSのフォローを外したことについてネット上で話題になっていた。
昨年米国にいる時もお互いに連絡を取り合っていた関係だったが、ソフトバンク入団会見時には「(新庄監督と)やりとりしていない」と語っており、さまざまな憶測も飛んだ。
このことについて話が及ぶと改めて残念な想いを吐露していた。
「初めて(フォローを)外したんじゃないかな。ちょっと悲しさが強くて。会話をするより先に外しておこうと思った」
果たして、今季エスコンフィールド開幕戦のマウンドに上沢は立つのか。その”直接対決”が注目される。
記事/まるスポ編集部