9日に迫ったプロ野球の現役ドラフト。ここでの移籍を機に花が開いた選手もいる。
野手において一番の成功例とされているのが細川成也外野手(中日)。22年に行われた第1回でDeNAから中日に移籍した。
「この制度がなかったらクビになっていたかもしれない」と本人が以前語っているほど、この移籍がなければ今の細川はないと言っても過言ではない。
細川は明秀学園日立高から16年のドラフト5位でDeNAに入団後、ルーキーイヤーの17年にはプロ初打席で本塁打、さらに翌日も本塁打を放つ活躍を見せた。
2リーグ制以降では、デビューから2試合連続で本塁打を放った高卒新人選手としては史上初の快挙で、DeNA未来の主軸候補として期待を寄せられる存在となった。
しかし、22年までの6年間で121試合出場・6本塁打と思うような成績が残せず、DeNAの強力な打撃陣に割って入ることができずにいた。
中日移籍後は一気にその才能を開花。23年に140試合に出場し24本塁打・78打点と主軸の座を掴むと、今季は全143試合に出場し打率.292・23本塁打・67打点の成績をマークし、外野手でのベストナインに輝いた。
その要因としてファン、そして本人からも挙げられているのが和田一浩コーチとの出会いだった。過去のインタビューで細川は
「和田さんと心中してやるぐらいの思いがありました。和田さんにはすごく分かりやすく教えていただき、取り組んでいる中で感覚的にも良いものをつかめた。
スイングの数をこなしていく中で、(打撃フォームも)ちょっとずつ染み付いてきてしっくり来るようになった。本当にいい出会いがあったなと改めて思います」
と語っていた。それは和田コーチも同様のことを言っており、退任後に出演した「デーブ大久保チャンネル」内にて
「振る力はあったけども、”バット”で打とうとしていた。外の筋肉を使っていたので当たれば飛ぶけども確率が悪い。なので、中側の体を使うスイングに少しずつ変えていったんです」
と教えたことを振り返るとともに、「僕の感覚がまるまる合った」と語り、お互いの感覚がマッチしていたことが飛躍へと繋がった。
「出場機会に恵まれない選手の移籍活性化」をまさに表現した背景には指導者との出会いが大きなカギとなった。
9日に行われる第3回で新たに台頭する選手が出てくるのか。その答えは来季に明らかになる。
記事/まるスポ編集部