【全日本】井上凌「今年は後輩の安齊が三冠王者になって鬱憤が溜まった1年だった。来年はそれらを晴らす1年にしたい」

2月のGAORA TV王座戦では飛び技も披露した井上

――僕は2月、立花選手のGAORA TV王座に挑戦した際、場外にサスケスペシャルを放った井上選手を見て「自分のスタイルを模索し、新たな技に挑戦している」と感じました。

井上:あれか、あの技は封印(苦笑)。

佐藤光留さんが「出来ないことも1個の個性だ」と話していた。「今のレスラーは何でも出来る。見た目も良いしスタイルもシュンとしている。コスチュームもカッコいいし投げ技も飛び技も出来て完璧すぎるから良くないんだ」と。その言葉が「ズシッ」と刺さった。

実は、2月に立花さんのGAORA TVに挑戦したあと、光留さんに「なぜ、飛ぶんだ?」と怒られたんだ。

「お前の個性は『蹴り技』だ、それなのになぜ飛ぼうとするのだ。何でもやりたいと思っていたら、個性のないレスラーになってしまうぞ」とメチャクチャ叱責。

――出来ない飛び技に挑戦したことで怒りを買ってしまったのですね。

井上:その時、僕は「えっ、ダメなのか?」と光留さんの意図を読み取ることができなかった。しばらくしてSNSで光留さんのトークショーの動画を発見。

「猪木さんならアゴが長かったこと、馬場さんなら背が高かったこと。それらコンプレックスはパワーになるし、レスラーとして魅力に繋がるんだ。全てが均一だったらレスラーとして大成しない」と話していて、「なるほど」と目から鱗が落ちたんだ。

それまでルチャ系の選手がいたら、「その動きについて行こう。同じ動きをしよう」と考えていた。でも、全部をやらなくていいんだって。

だからサスケスペシャルは2月のGAORA TV王座戦のみ、今後やることはない。

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