――Sareee選手はいかがでしょうか?
伊藤:Sareeeは私のことを本当に信頼してずっと近くにいてくれているし、本人もフリーの選手として頑張っています。WWEから話が来てアメリカにも行きました。
ある程度、日本でキャリアを積んで渡米したイヨ・スカイ選手やASUKA選手とは違い、Sareeeはプロレスラーとして一番動ける時期に渡米しました。でもコロナ禍で1年間試合ができない状況になった。選手として旬の時期なのに試合ができないというのは本人も相当辛かったと思います。
WWEと再契約の話もありましたが、Sareeeは日本への帰国を決めました。生活の安定よりも日本で女子プロレスラーとして戦う道をあの子が選んだんです。
Sareeeとは先生と教え子というよりも親子みたいな関係なので、どこにいても何をしても最終的に私のことを助けてくれます。道場維持のためにイベントを開催してくれたりもします。
もちろん私にできることがあれば、出来る限りサポートしたい。彼女はマリーゴールドとシードリングの2冠王者として活躍しています。「明らかに他のレスラーとは違う」と周囲の評価も高い。
私も全女のトップでWWWAベルトを巻いたけど、“縁の下の力持ち”が私には向いていると思うので、今後もSareeeを最大限サポートしたいと思っています。
――10月14日伊藤薫35周年大会の開催が決まりました。Sareeeとなつぽいという若手選手から、ジャガー横田、アジャコング、渡辺智子という全女を代表する選手が出場します。
伊藤:他にも出場して欲しいけどスケジュールが合わなかった選手もいました。なつぽいは私のことを“師匠”と言ってくれる。実は10月14日は、所属するスターダムの試合が入っていたんです。(スターダムの)岡田社長にご相談したら「35周年大会は一度しかないから」と出場してもらえることになりました。色々な方が動いてくれたから実現できる大会です。ですから、たくさんの人に来てもらい、試合を見て欲しいです。
そして「35周年記念大会」は“道場のため”という意味合いもあります。うちの道場からデビューした“MASA☆TAKA”と“志真うた”の2人には、ずっと道場でプロレスをやるのではなく、“新宿FACE”という舞台に立たせてあげたい。お客さんの前でリングに立ち、スポットを浴びて戦わせてあげたい。だから開催することを決めました。