9月28日に4年ぶり39度目のセ・リーグ制覇を決めた巨人。就任一年目の阿部慎之助監督が10度宙に舞った。
優勝を決めたこの日、最後のマウンドに立っていたのは守護神・大勢。プロ3年目で胴上げ投手となった。
しかし、ここまでの道のりは己の体と向き合う日々だった。遡ること2月、キャンプインから一週間後の8日に右ふくらはぎ痛で離脱。宮崎から帰京し、別メニューとなった。
昨シーズンはWBC日本代表に選出され世界一に貢献するも、シーズンに入ると6月末に右上肢のコンディション不良により3ヶ月近く戦線を離れた。
その影響もあり27試合登板で3勝14セーブ、防御率4.50の成績に終わった。
巻き返しを図る中で不安なスタートとなってしまったが、3月23日にオープン戦に初登板し、開幕には間に合わせた。
しかし、5月3日の阪神戦(東京D)で右肩に違和感を訴え、約2ヶ月間戦列を離れてしまった。
復帰したのは6月30日の広島戦(東京D)。1点リードの9回に登板し、無失点でセーブを挙げて以降は離脱することなくクローザーを務めている。
今シーズンの変化として挙げられるのが投球フォームの改造である。それは昨年まで軸足のかかとを上げていた「ヒールアップ」をやめたことである。
昨シーズンも6月10日のソフトバンク戦(現:みずほペイペイD)から一度やめていたが、9月に一軍へ戻る時には既に復活させていた。
今回再びやめることを決断したのは、キャンプで離脱した際のファーム調整中のこと。投球時に上体が突っ込んでしまう癖を矯正するためであった。
27日の中日戦(東京D)では今シーズン2度目のイニングまたぎもこなし、42試合登板で1勝2敗28セーブ、防御率は0.90(1日現在)をマークしている。
特に復帰後は30試合でわずか2失点、防御率はなんと0.60である。
プロ入りして初めて迎えるCS、その先にも日本シリーズと厳しい戦いが続いていく。復活を遂げた守護神が12年ぶりの日本一へ重要なピースとなる。
文/まるスポ編集部