9月23日後楽園ホールで「マリーゴールドDREAM STAR*GP2024」が開催。第4試合は初代マリーゴールド・ワールド王座チャンピオンのSareeeと、女子プロレス界の人間国宝、高橋奈七永が対戦した。
この日、Sareeeは「SEAdLINNNG」カルッツかわさき大会でウナギ・サヤカとも対戦する異例のダブルヘッダーだった。試合前「奈七永にはボコボコにされてきたし、ずっと高い壁だった。でも、ここでしっかり今現在のSareeeを出し切って、今は奈七永より上だよってことを示したい。ここでパパっと奈七永に勝って移動します」と発言。
これを聞いた奈七永は「Sareeeはチャンピオンなのに言ってることも試合も雑。ダブルヘッダーも私は昔から好きじゃない。試合する選手に対して失礼。”パパっとナナエに勝つ”⁉︎どの口が言ってんだ」とX(エックス)で反撃していた。
試合は開始早々、奈七永がSareeeに激しく身体をぶつけていくと、取っ組み合いの喧嘩のようなエルボーの打ち合いに発展。会場から「ワァァァ!」と歓声が上がる。
場外戦では奈七永がパイプ椅子を置き、Sareeeを向かいの椅子に座らせると凄まじい”ビンタ合戦”が炸裂。両者からは”絶対に負けない”という意志が伝わってくる。
この日の奈七永はいつもと違って見えた。試合前のSareeeの発言に怒る気迫もさることながら、繰り出す技の数々は見ている観客をも圧倒する。ボストンクラブ、膝十字、アキレス腱固め、バックドロップ、雪崩式ブレーンバスター。特に綺麗に決まった4の字固めが素晴らしかった。ワールド王者Sareeeは、奈七永のこの猛攻撃に自分のプロレスができないでいた。
そして試合時間残り2分。苦しい戦いの中で、Sareeeが負けじと強烈なダイビングダブルフットスタンプを奈七永の溝落ちに打ちつける。だが、なかなか3カウントが奪えない。
試合時間残り30秒を切り、Sareeeが裏投げ、奈七永がクインビーボムを決めるがタイムオーバーとなり引き分けた。
Sareeeはバックステージで「奈七永とドローということで、久しぶりに追い込まれるような私自身にとっても厳しい戦いでした。15分で決着がつけられなかったことめちくちゃ悔しい。高橋奈七永をちゃんと倒したい。マリーゴールドにも倒さなきゃいけない奴がいるんだなって思ったんで、チャンピオンとして青野未来・高橋奈七永とも引き分けているんですよ。全勝優勝狙うとか言って、私口だけのやつ大嫌いなんで、でも自分がそうなりそうなんで、しっかり巻き返していきたい。」と再戦について言及。
一方、奈七永は「自分が今日勝つべき試合だと思って臨んだんですけど、悔しい結果になっちまって、もう悔しい以外の言葉が見つからない。私マリーゴールドのチャンピオンに勝てそうだったよね?勝てそうってゆうか勝っても当たり前だし、負ける姿なんて見えないでしょ、私が。だから今日のドローをもって挑戦資格もあるとは言い切れないけど、そりゃあゲットしたいよ、リーグ戦優勝して正々堂々と物申したいと思いますから。それからSareee!なめんじゃねえよ!うっせんだよ!」と、こちらも再戦を望む言葉を残した。
今日の試合は、Sareeeが若手時代に感じた高い壁の記憶を蘇らせるような壮絶な奈七永の攻撃に最初から最後まで目が離せなかった。すべてが山場だったと言っても過言ではない。2人の再戦を心から期待したい。
文/♯ミライ