東京パラリンピックのカヌー代表に内定している、瀬立モニカ選手。18歳で初出場した2016年リオパラリンピックで8位入賞を果たし、地元である東京・江東区の海の森水上競技場で開催される東京大会では、日本人初のメダルが期待されている。そんな瀬立選手と、彼女を支える西明美コーチに話を聞いた。
――現在、東京パラリンピックに向けて沖縄で合宿中とのことですが、どうして沖縄を選んだのですか?
瀬立:理由は2つあります。1つ目は「海に慣れるため」です。淡水と海水というのは浮力が違ってくるので、水を捉える感覚や水の重さが変わってきます。淡水は重くてしっとりしているので、力は必要ですが、水を捉えやすい。逆に海水はサラッとしている分、水が逃げやすいので、キャッチするポジションを掴まないといけません。
このように、淡水と海水とでは全く競技への取り組み方が変わってくるので、海に慣れることはすごく重要な作業なんです。
東京パラリンピックの会場である、海の森水上競技場(東京都江東区)は100%海水。なのでかなり浮力が強いですし、海ならではのウネリがある。さらにその中で、もし風が強いとなると、湖とかダムなどでは波が立ちませんが、海では波が立つので危険度が増します。だから海水である沖縄を合宿先に選定し、海に慣れているんです。
そしてもう1つは、「暑さに慣れるため」です。パラリンピックは夏の大会ですから、本番を想定し、この時期でも暑い沖縄で、夏に近い気温に体を慣れさせているんです。
――その2つの目的に一番適していたのが、沖縄の環境だったというわけですね。合宿や遠征先での食事はどうしているのですか?
西:海外ではほとんど自炊です。カヌーで訪れる国はヨーロッパが多いんですけど、ハムとかチーズとか塩辛いものが多いんですよ。だから炊飯器、お米や缶詰を持参しています。合宿の場合は、それを3週間分用意するんです。いつも結構、荷物多いんですよねぇ…(笑)。
――もうほとんどキャンプですね(笑)。
西:モニカの部屋は、実際にキャンプ場と化してます(笑)。
――そうなんですか(笑)。ちなみに、合宿や遠征先で、練習以外の時間はどのように過ごしているんですか?
瀬立:休憩時間を利用して、ジグソーパズルをしています。
西:本当にしょっちゅうパズルしてますよ(笑)。リオパラリンピックの時も持参していましたね。