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今季巨人に入団した田中将大。
昨年は一軍登板1試合に終わり楽天を退団となったが、日米通算197勝の右腕は連覇の立役者として期待されている。
そんな大投手にキャンプでマンツーマン指導をしていたのが久保康生巡回投手コーチ。
現役を引退した翌年の98年に近鉄のコーチに就任すると、阪神・ソフトバンクなどで指導者を歴任し、22年オフに巨人の投手コーチに就任した。
近鉄時代には大塚晶文や岩隈久志、阪神時代には能見篤史やランディ・メッセンジャーらを飛躍させるなど実績は豊富。
昨季巨人では菅野智之に”魔改造”を施すと、23年に4勝8敗だったのを15勝3敗と復活を果たし、リーグ優勝の原動力となった。
菅野も昨年表彰式で「久保コーチと会っていなかったらここにいない」と、感謝を述べていた。
そして次なる復活のターゲットとして名伯楽は田中を担当。キャンプ初日から2人でやりとりするシーンが連日クローズアップされた。
1日にはマウンドの傾斜を逆向きに使い、軸足からの体重移動を意識する練習を行うと、翌日以降も腕の出すタイミングを意識したネットスローや2つのボールをきれいに連なるよう投げるなど工夫が凝らされていた。
キャンプ中、久保コーチが数々インタビューを受けている中で挙げた共通のキーワードが”シンプル”だった。
「大幅に変更するのではなく、シンプルに力の伝達をできる・ロスなくフィニッシュまで持っていける投げ方を伝えた」
田中も、久保コーチの教えに取り組む中で手応えを見せている。
「今ガラッと感覚を変えようとしているので大きな違いを感じているが、うまく投げられた時の感覚はすごくいいので何とかモノにしたい」
菅野という大黒柱が抜けた今シーズン、田中の復活が巨人投手陣へ”新風”を吹かせようとしている。
記事/まるスポ編集部