20日に都内のホテルで12球団監督会議が開催され、日本ハムの新庄剛志監督がポスティングシステムの問題点を提起した。
これは、23年オフにポスティングシステムで日本ハムからレイズにマイナー契約で移籍し、わずか1シーズンでソフトバンクへ入団した上沢直之投手の件を受けてのこと。
8日には「ちょっと育て方が違ったのかな。ああいう決断をされたのはすごい悲しいし、一緒にやりたかった」と心境を語るとともに、
「プロ野球自体がその流れになってほしくない。ポスティングで(メジャーへ)行って、いい活躍ができなくてソフトバンクに行くっていう流れ」
と、いずれも日本ハムの主力投手だった有原航平投手そして上沢と続く傾向に警鐘を鳴らしていた。
会議の座長を務めたロッテ・吉井理人監督からポスティングシステムに対して感じていることを振られた新庄監督。
ここで、「ポスティングで(米球界へ)行って1年ダメで、ソフトバンクに行くっていう流れはやめてほしい」
と、そのソフトバンクで指揮を執る同級生の小久保裕紀監督そして榊󠄀原定征コミッショナーがいる場で意見を述べた。
新庄監督はプロ野球の将来を考えて発信してきた。8日の時と同様に、
「僕は、違うものは違うと。誰になんと言われようが、プロ野球にとって良くないというものに対して言ってる」とここでも熱弁。
このオフに挑戦を表明した選手たちの名前を挙げながら、強調した。
「もしですよ、これが(今季メジャー挑戦する)青柳君とか、小笠原君もそうだし、佐々木(朗希)君にしても、何かトラブルがあったり活躍できなくって万が一クビが切られました、となったら間違いなく欲しい。
それで、ポスティングで行った選手たちが(元所属球団は)戻ってくるものだ思うし、それがソフトバンクに行ってしまうっていう流れは、つくってほしくない」
また、ただ異を唱えるだけではなく、見直しに向けての私見も披露した。上沢にも夢の後押しのため送り出したように、監督としての立場も踏まえたものだった。
「1年向こうに行って駄目で、(すぐ日本の)違う球団となると、監督をしている立場としては『は?』となる。帰ってきて、最低1年(前の所属球団でプレー)でいいと思う。
ベストはどんだけ辛かろうが、マイナーでもう1年やること。だったら『夢に向かってトライしたんだな、仕方ないな』という判断になるかもしれない」
ポスティングシステムのルールについては、ファンやOBの多くが意見を述べている。実際にルールの”抜け穴”のような形を味わった現場による意見はどう届くのか。
今後に一石を投じる発言となるか注目される。
記事/まるスポ編集部